新しいノートPCを探していると、店頭やオンラインストアで「Copilot+ PC」という表示を見かけて、普通のPCと何が違うのか迷う方は多いはずです。
結論から言うと、Microsoft Copilot自体はCopilot+ PCが無くても使えます。Copilot+ PCが無いと使えないのは、コクリエーターやリコールなどNPU専用の限定機能だけです。
この記事では、Copilot+ PCの必須要件や普通のWindows PCとの違い、向いている人・向かない人までを順に整理します。
Copilot+ PCとは?普通のWindows PCとの違い

Copilot+ PCは、40 TOPS以上の演算性能を持つNPU(ニューラルプロセッシングユニット)を備えた新しいクラスのWindows 11 PCです(Windows 11の仕様とシステム要件)。Microsoftが2024年5月20日に発表した区分で、メモリ・ストレージ・対応プロセッサの要件も普通のWindows 11 PCより高く設定されています。
通常のWindows 11 PCは1GHz以上・2コア以上のプロセッサとRAM 4GBあれば動作し、NPUの搭載は前提になっていません。Copilot+ PCは、この最小要件に加えてNPU性能の基準をクリアした機種だけに与えられる呼び名です。
AI PCとCopilot+ PCは同じ意味ではない
「AI PC」はNPUを搭載したPC全般を指す業界共通の呼び方で、各メーカーが独自の基準で使うこともある言葉です。一方Copilot+ PCは、40 TOPS以上のNPUという具体的な基準をMicrosoftが定めた呼び名で、この基準を満たさない「AI PC」も市場には存在します。検索や店頭で両方の表記を見かけたら、Copilot+ PCの方がより厳格な条件を課した呼び名だと考えると整理しやすくなります。
Copilot+ PCの要件はNPU 40TOPS以上が分かれ目

Copilot+ PCの必須要件は4点です(Windows 11の仕様とシステム要件)。40 TOPS以上のNPU・16GB以上のRAM・256GB以上のストレージ・Windows 11 version 24H2以上のすべてを満たす必要があります。
対応プロセッサも限られています。AMD Ryzen AI 300/400シリーズ、インテル Core Ultra 200V/300Vシリーズ、Snapdragon Xシリーズのいずれかが必要です。これらを積んでいない機種は、Copilot+ PCを名乗れません。
RAM・ストレージ・対応CPUの最低ライン
通常のWindows 11 PCとの要件差を表にまとめました。
| 項目 | 通常のWindows 11 PC | Copilot+ PC |
|---|---|---|
| NPU | 要件なし | 40 TOPS以上 |
| RAM | 4GB以上 | 16GB以上(DDR5/LPDDR5) |
| ストレージ | 64GB以上 | 256GB以上(SSD/UFS) |
| OS | Windows 11 | Windows 11 version 24H2以上 |
| 対応プロセッサ | 指定なし | AMD Ryzen AI 300/400、インテル Core Ultra 200V/300V、Snapdragon X |
要件を満たすための追加コストが価格差の主な要因です。Microsoft公式も具体的な価格は公表せず「価格はデバイスや販売店によって異なります」とだけ案内しています(Copilot+ PCを購入する)。購入を検討する際は、この表の要件を満たしているかをメーカーの製品ページで確認するのが確実です。
Copilot+ PC限定機能はNPUが無いと動かない

Copilot+ PC限定機能は全部で6つあります(Copilot+ PCを購入する)。いずれもNPUのローカル処理が前提の機能のため、通常のWindows 11 PCには搭載されません。
- コクリエーター:文章や画像プロンプトからビジュアルを生成
- リコール:過去の操作内容をデジタルな記憶として検索
- ライブキャプション:多言語音声のリアルタイム字幕翻訳
- リスタイルイメージ:写真や画像のスタイルを変換
- 改善されたWindows検索:PC内のファイルや設定をAIで検索
- Windowsスタジオエフェクト:ビデオ通話の背景・映り込みを補正
なかでもリコールとライブキャプションは、実際に使うかどうかで購入判断が分かれやすい機能です。普段からリアルタイム翻訳や画面内容の検索を使う人には便利ですが、使わない人にとっては差を実感しにくいでしょう。
無印CopilotとCopilot+ PCの違いは使える機能の範囲

無印のMicrosoft CopilotはCopilot+ PCでなくても利用できます。ただしCopilot+ PC限定機能だけは、NPU搭載機でないと使えません(Microsoft Support)。「Copilot+ PC」という名前のせいで、Copilot自体を使うのにも専用PCが必要だと誤解しやすい点には注意が必要です。
Copilotと名の付く製品は複数あり、無印のMicrosoft CopilotのほかにもMicrosoft 365 CopilotやCopilot Coworkなど役割の異なるサービスが存在します。Copilot+ PCはそれらとは軸の異なる「ハードウェアの区分名」で、ソフトウェアの契約プランとは別物です。

Copilot+ PCが向くのは日常的にAI機能を使う人

Copilot+ PCが向いているのは、リコールでの検索やリアルタイム翻訳など、NPU専用機能を日常的に使う人です。動画会議の同時通訳や、大量のファイル・履歴をAIで探す機会が多い人ほど恩恵を感じやすくなります。
向かない人はブラウザ版Copilotで十分
文章の下書きや要約など、Microsoft Copilotの基本的なやり取りが中心の人には、通常のWindows PCやブラウザ版のCopilotで十分です。NPU専用機能をほとんど使わないなら、Copilot+ PCの追加コストを払う必然性は小さいといえます。
Copilot+ PCへの移行はソフト更新だけではできない

Copilot+ PCはNPU搭載チップが前提のハードウェア区分のため、既存のPCにソフトウェア更新を当てるだけでは要件を満たせません。対応するのは、購入時点で40 TOPS以上のNPUを積んだ新しいPCに限られます。
Windows Updateを繰り返してもNPUチップ自体は後から追加できないため、今のPCがCopilot+ PCの限定機能を使えるようになることはありません。買い替えを検討する場合は、対応プロセッサを積んだ新しいモデルを選ぶ必要があります。
Copilot+ PCの必要性に関するよくある質問
Microsoft Copilotを使うのにCopilot+ PCは必要ですか?
必要ありません。無印のMicrosoft Copilotは通常のWindows 11 PCやブラウザからも利用できます。Copilot+ PCが無いと使えないのは、コクリエーターやリコールなどNPUのローカル処理が前提の限定機能だけです。
Copilot+ PCの価格はいくらですか?
Microsoft公式は『価格はデバイスや販売店によって異なります』とのみ案内しており、一律の定価はありません。同じ対応CPUでもメモリ・ストレージ構成によって価格差が出るため、購入前に各メーカーの公式サイトで最新価格を確認するのが確実です。
Copilot+ PCはいつ登場しましたか?
Microsoftが2024年5月20日に新しいWindows PCのカテゴリとして発表しました。その後、対応する新CPU(AMD・インテル)の追加やSurfaceの法人向けラインナップ拡充が続いています。
Copilot+ PCにデメリットはありますか?
NPU搭載チップが前提のため、同スペック帯の通常PCより価格が高めになりやすい点がデメリットです。Copilot+ PC限定機能を日常的に使わない人にとっては、要件を満たすためだけの追加コストが過剰投資になる可能性があります。
手持ちのPCをアップデートでCopilot+ PC化できますか?
できません。Copilot+ PCは40 TOPS以上のNPUを搭載したチップが前提のハードウェア区分で、ソフトウェア更新だけでは要件を満たせません。対応するのは購入時点でCopilot+ PC要件を満たす新しいPCに限られます。
まとめ:Copilot+ PCが必要か判断するポイント

Copilot+ PCが必要かどうかは、NPU専用機能を日常的に使うかどうかで判断できます。リコールやリアルタイム翻訳を使う機会が多いなら買い替えの価値があり、文章のやり取りが中心なら通常のWindows PCでも困りません。
Microsoft Copilot自体の種類や料金体系を詳しく知りたい方は、Microsoft Copilotの種類と料金の解説記事を参考にしてください。
