オンライン会議やインタビュー、講義の内容を効率的に記録・共有したいと考えたことはありませんか?
そんなニーズに応えるのが、AI音声文字起こしツール「tl;dv」と「Notta」です。どちらも注目の高機能ツールですが、得意分野や使い勝手には明確な違いがあります。
本記事では、実際の機能や使い方を13の観点から徹底比較し、あなたにぴったりのツールはどちらかをわかりやすく解説します。
導入を検討している方、選び方に迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
- AI音声文字起こしツール「tl;dv」と「Notta」の基本的な特徴と違い
- 目的・プラットフォーム・精度・料金など13項目による詳細な機能比較
- それぞれのツールがどんな人・どんなシーンに向いているかの判断基準
- 自分の利用目的に最適なツールを選ぶための具体的なヒント
「tl;dv」と「Notta」の基本情報
AI音声文字起こしツールの中でも注目されているのが「tl;dv」と「Notta」の2つです。
どちらも会議の記録や情報共有を効率化するための便利な機能を備えていますが、目的や得意分野には違いがあります。
まずは、それぞれの特徴や基本的な使い方を見ていきましょう。
tl;dvの概要・主な特徴
tl;dvは、営業や顧客対応チームに特化したAI音声文字起こしツールです。
特にビジネス現場でのオンライン会議を記録・分析する機能に優れており、CRMとの連携やセールスコーチング支援など、営業活動の効率化に役立ちます。
具体的には、Google Meet、Zoom、Microsoft Teamsといった主要なオンライン会議サービスと連携し、会議内容の録画や文字起こし、AIによる要約を自動で実行できます。
また、会議で得られた情報をSalesforceやHubSpotなどのCRMツールへ自動で反映させる機能や、会議中の重要な発言にタイムスタンプ付きメモを追加する機能なども搭載しています。
これにより、営業やカスタマーサクセスの現場で、会議情報をスムーズに共有・活用できる仕組みが整っています。
tl;dvは、特に営業支援や社内ナレッジ共有を重視するチームにとって、非常に有用なツールです。
専門業務に特化した機能が充実している一方で、リアルタイムの文字起こしやオフライン録音には対応していない点には注意が必要です。
Nottaの概要・主な特徴
Nottaは、個人から企業まで幅広いユーザー層に対応する汎用性の高い音声文字起こしツールです。
会議やインタビュー、講義など、さまざまなシーンでの音声データを効率よくテキスト化し、さらにAIによる要約やタグ付けなどの機能も提供しています。
対応プラットフォームが非常に豊富で、PCのWebブラウザ、iOS・Androidアプリ、Chrome拡張機能を使って利用可能です。
オンライン会議はもちろん、スマホを使ってオフラインで録音した音声も後から文字起こしできるため、対面での取材や講義の記録にも適しています。
また、58言語への対応、日本語UIの完全対応、日本語の単語登録機能など、日本国内のユーザーにも使いやすい仕様となっています。
Nottaは、リアルタイムでの文字起こしや多言語対応、堅牢なセキュリティ体制を備えていることから、ビジネス用途だけでなく、教育、研究、医療など多様な分野で活用が進んでいます。
誰でも使いやすく、柔軟な使い方ができる点が大きな魅力です。

機能比較:tl;dvとNottaの違いとは?
tl;dvとNottaは、どちらも高機能なAI文字起こしツールですが、それぞれに得意分野や設計思想の違いがあります。
ここでは、具体的な機能や使い勝手を13の視点から比較し、どのようなニーズにどちらが向いているのかを明らかにしていきます。
まずは、2つのツールの違いを一覧で確認していきます。
比較項目 | tl;dv | Notta |
---|---|---|
目的・主なユースケース | 営業・顧客対応向け、CRM連携に強み | 多用途対応、個人〜法人、教育や研究でも活用 |
対応プラットフォーム | オンライン会議特化、モバイル・オフライン非対応 | Web, iOS/Android, Chrome拡張、オフライン録音可 |
対応言語 | 30言語以上、方言対応、UIは7言語(日本語一部) | 58言語、二言語同時文字起こし、日本語完全対応 |
文字起こし精度 | 90%以上、方言に強いが専門用語に弱い | 90%以上、日本語に強く単語登録で精度向上 |
文字起こし速度 | 会議終了後に一括処理、リアルタイム非対応 | リアルタイム対応、処理も高速 |
AI要約機能 | AI要約、Ask機能、会議横断分析あり | AI要約+テンプレート、質問機能あり |
タグ付け機能 | 手動タグ+AI自動タグ付け | 手動タグ付け(検索・エクスポート可) |
料金体系(無料) | 録画・文字起こし無制限(制限あり) | 月120分・1ファイル3分、制限あり |
料金体系(有料) | Pro: $18/月〜、Business: $59/月〜 | Premium: ¥1,185/月〜、Business: ¥2,508/月〜 |
セキュリティ・プライバシー | GDPR, SOC2、EU保管、SSL対応 | ISO 27001, SOC2, HIPAA, 日本保管、AI学習なし可 |
他ツールとの連携 | Zapier(5000以上)、CRM、Slack等 | Zapier、CRM、Notion等、無料でも一部連携可能 |
操作性・UI | 英語UI中心、日本語は一部対応、習得容易 | 完全日本語UI、初心者にも優しい |
想定ユーザー | 営業・カスタマーサクセス・ビジネスチーム | 個人利用〜企業、教育・医療・研究・専門職 |
続いて、それぞれの項目について、違いを詳細に深ぼっていきます。
1. 目的・主なユースケース
tl;dvは、営業活動や顧客対応など、ビジネス用途に特化したツールです。一方でNottaは、より幅広いシーンで活用できる汎用型ツールとして設計されています。
tl;dvは、顧客とのオンライン商談やサポート会議を録画・分析し、その内容をCRMに自動で連携する機能を備えています。
営業チーム向けにセールスコーチングを支援するプレイブックや、会議のハイライトを切り出して共有する機能もあり、営業現場での情報活用を前提とした作りになっています。
一方、Nottaは会議議事録の作成、講義やセミナーの記録、インタビューの書き起こしなど、個人からビジネス、教育、医療まで幅広い分野で利用可能です。録音方法や利用シーンに柔軟に対応できる点が特徴です。
利用目的が営業支援に集中しているならtl;dv、多目的に活用したいならNottaが向いています。
2. 対応プラットフォーム
対応プラットフォームの柔軟性ではNottaがやや優位です。tl;dvは主にオンライン会議専用に特化しており、Nottaはより幅広いデバイスや状況に対応しています。
tl;dvは、Google Meet、Zoom、Microsoft Teamsといった主要なオンライン会議サービスに対応し、録画・文字起こしをボットが行う仕組みです。
Chrome拡張、Webポータル、デスクトップアプリで利用できますが、モバイル対応やオフライン録音はサポートされていません。
一方Nottaは、PCのWeb版だけでなく、iOS・AndroidアプリやChrome拡張にも対応。さらに、モバイルアプリを使えば、オフラインでも対面会議や講義などの録音ができ、後から文字起こしすることが可能です。
屋外やモバイル中心の利用も視野に入れているなら、Nottaの方が柔軟に使えるでしょう。
3. 対応言語
多言語対応ではNottaがリードしています。どちらのツールも多言語文字起こしに対応していますが、対応数や機能の深さに違いがあります。
tl;dvは、インターフェース(UI)が7言語に対応し、文字起こしは30言語以上をカバーしています。特に方言やアクセントの認識に強いのが特徴です。
ただし、カスタム語彙登録機能は英語のみ(予定)で、他言語への最適化はやや限定的です。
Nottaは、UIが完全に日本語対応しており、文字起こしは58言語に対応。さらに、同時に2言語を認識して翻訳する機能や、日本語ユーザー向けの単語登録機能など、日本国内のユーザーにも非常に使いやすい設計です。
多言語対応や翻訳を重視するなら、Nottaの方が安心して使えるでしょう。
4. 文字起こし精度
文字起こしの精度はどちらのツールも高い水準にありますが、用途や環境によって差が出る点に注意が必要です。
tl;dvは、一般的な会話での文字起こし精度が90%以上とされ、特にアクセントや方言の認識に強みがあります。ただし、業界特有の専門用語などは正確に認識できないこともあり、日本語におけるカスタム語彙の登録は未対応(英語のみ今後対応予定)です。
一方、Nottaはフォーマルな会議では90%以上の精度を維持するとされ、日本語については単語登録機能により専門用語の認識精度を向上させることが可能です。ただし、カジュアルな会話や騒音がある環境では精度がやや低下する傾向もあります。
専門用語が多く登場する業種ではNottaが有利ですが、日常的な会話ならどちらも十分な精度です。
5. 文字起こし速度
リアルタイムでの文字起こしが必要かどうかで、選ぶべきツールが変わります。
tl;dvは、会議終了後に録音された内容をまとめて文字起こしする方式で、リアルタイムでの表示には対応していません。そのため、会議中にすぐ内容を確認したい場合には不向きです。
一方、Nottaはリアルタイム文字起こしに対応しており、話された内容が即座にテキスト化されます。また、音声ファイルをアップロードした場合の処理も速く、すぐに結果を確認できます。
会議中に内容を即時に把握したい場合やスピードを重視する場合は、Nottaのリアルタイム処理が強みとなります。
6. AI要約機能
会議の要点を素早くつかみたい場合、AI要約機能は非常に便利です。tl;dvとNottaの両方が対応していますが、得意とするアプローチに違いがあります。
tl;dvは、会議ごとの自動要約に加え、「Ask tl;dv」というチャット形式で会議内容に質問できる機能や、複数の会議を横断して共通の傾向を抽出する分析機能を備えています。また、要約形式を自由にカスタマイズすることも可能です。
一方、NottaもAI要約機能を備えており、「アクションアイテム」や「決定事項」などを自動で抽出するテンプレート型の要約が特徴です。また、こちらも「AIに質問」機能で会議内容の検索が可能です。
戦略的に情報を分析・活用したいビジネスユーザーにはtl;dv、議事録作成などに使いやすい構造的な要約を求めるならNottaが適しています。
7. タグ付け機能
会議の重要な箇所を後から簡単に振り返るには、タグ付け機能があると便利です。tl;dvとNottaはどちらもこの機能を備えていますが、使い方に違いがあります。
tl;dvでは、会議中に手動でタイムスタンプ付きのメモやタグを付けられるほか、AIが自動でブックマークやタグを生成する機能もあります。これにより、重要な発言のポイントを後から素早く見つけることができます。
Nottaの場合は、録音中または文字起こしデータの編集中に、事前に設定された「重要」「ToDo」「課題」などのタグを手動で追加できます。付けたタグは後から検索やエクスポートも可能です。
自動生成の便利さを求めるならtl;dv、整理されたマニュアル管理を好むならNottaが適しています。
8. 料金体系(無料プラン)
無料でどれだけ使えるかは、導入のハードルを下げる重要な要素です。tl;dvとNottaでは、無料プランの範囲に大きな違いがあります。
tl;dvの無料プランは、録画や文字起こしが無制限(1ファイル3時間まで)で利用でき、月10回までAIノートや対話型のAI検索機能も使えます。アップロードは月5ファイルまでで、データ保存期間は6ヶ月です。
一方、Nottaの無料プランでは月120分までの文字起こし(1ファイル3分まで)と、AI要約の月10回、ファイルインポート月50回までが上限です。
無料でたっぷり試したいならtl;dv、機能の全体像を軽く触ってみたいならNottaの無料プランが向いています。
9. 料金体系(有料プラン例)
有料プランでは、両ツールともAI機能や連携機能が大幅に強化されますが、価格設定や内容に違いがあります。
tl;dvは、Proプラン(月約$18〜)でAI要約やCRM連携、Zapier連携などが無制限に使えるようになり、Businessプラン(月約$59〜)ではセールスコーチング機能が追加されます。ただし、どのプランでも1ファイルあたりの録音上限は3時間です。
Nottaは、プレミアムプラン(約¥1,185/月)で月1800分までの文字起こしやAI要約30回などが可能になり、ビジネスプラン(約¥2,508/月)では無制限の文字起こし(1ファイル5時間まで)と、CRM・Zapier連携、単語登録機能の強化などが含まれます。エンタープライズ向けにはさらに高度なカスタマイズも可能です。
中〜大規模な営業チームでCRM連携を活用するならtl;dv、柔軟な時間設定や日本語重視のユーザーにはNottaの方が適しています。
10. セキュリティ・プライバシー
機密情報を扱う場面では、ツールのセキュリティ体制は非常に重要です。tl;dvとNottaの両方とも高い水準を満たしていますが、対応範囲には差があります。
tl;dvは、GDPRとSOC2に準拠し、データはEU域内で保管されています。通信はSSLで暗号化され、無料プランでは6ヶ月間、有料プランでは無制限にデータが保存されます。エンタープライズ向けには、プライベートホストAIのオプションも提供されています。
一方、NottaはISO 27001、SOC 2 Type II、HIPAA、GDPR、APPIなど、より多くの国際基準に対応しており、データは日本国内で保管。さらに、AI学習に使用しない設定ができる「AI学習なしオプション」もあり、セキュリティ意識の高い企業にとって安心感があります。
特に国内法や厳格なセキュリティポリシーが求められる環境では、Nottaの体制が一歩リードしています。
11. 他ツールとの連携
日々の業務で使用しているツールと連携できるかどうかは、実際の利便性に大きく関わります。
tl;dvは、Zapierを通じて5000以上のツールと連携可能で、CRM(Salesforce、HubSpotなど)やSlack、Notion、Jiraなどとも直接連携できます。これらはProプラン以上で利用できます。
Nottaも、Zapier、CRM、Notion、Slackなどとの連携に対応しており、GoogleカレンダーやOutlookカレンダーとの同期は無料プランからでも利用可能です。ただし、CRM連携など一部の高度な連携はビジネスプラン以上で解放されます。
多彩な外部連携を重視するならtl;dv、必要な連携が明確でシンプルな構成を求めるならNottaが適しています。
12. 操作性・UI
ツールの使いやすさは、習熟度や導入のしやすさに直結します。その点で、Nottaは日本語ユーザーにとって特に使いやすい設計です。
tl;dvは、シンプルで直感的なUIを備えており、セットアップも簡単です。ただし、基本UIは英語で、日本語対応は一部にとどまっています。また、会議に自動参加するボットの存在が気になるユーザーもいます。
Nottaは、日本語UIが完全対応しており、ITに不慣れなユーザーでも使いやすいように設計されています。モバイルアプリの操作性も高く、サポート体制も迅速です。
操作にストレスなく使いたい、または日本語で迷わず使いたい場合は、Nottaの方が親しみやすいでしょう。
13. 想定ユーザー
tl;dvとNottaでは、それぞれターゲットとしているユーザー層に違いがあります。導入を検討する際には、この点の違いを理解することが重要です。
tl;dvは、営業、カスタマーサクセス、製品開発、マーケティングなど、ビジネスの現場での情報共有やインサイト抽出を重視するチーム向けに最適化されています。特にCRMとの連携や営業コーチング機能などは、BtoBの営業チームに大きなメリットをもたらします。
一方、Nottaは、学生やライター、教育関係者、研究者、さらには医療や建設など多様な業界の専門職にも対応できるよう設計されています。個人利用から大企業まで幅広い層が利用しており、特に日本語ユーザーやセキュリティ重視の組織に強みがあります。
特定のビジネスプロセスに深く組み込みたいならtl;dv、用途や職種が多岐にわたる場合はNottaが適した選択となります。
「tl;dv」と「Nottaが向いている人」に向いている人
ツールを選ぶ際には、機能そのものだけでなく、自分の利用目的や働き方に合っているかが重要です。
ここでは、tl;dvとNottaの特性をふまえて、それぞれのツールがどんな人に適しているのかを整理します。
tl;dvが向いている人
tl;dvは、主にビジネス向けに設計されたツールで、特に営業活動や顧客対応に強みを持っています。以下のような人におすすめです。
- 営業やカスタマーサクセスなど、顧客対応業務に関わっている人
- SalesforceやHubSpotなどのCRMを日常的に使っている人
- 会議のインサイトを活用して、営業成果や社内ナレッジを高めたい人
- オンライン会議を主な業務の中心にしているチーム
- 会議の録画・文字起こしデータを社内で戦略的に活用したいマネージャー層
Nottaが向いている人
Nottaは、柔軟性の高い設計と日本語対応の手厚さが特徴で、ビジネスから教育、個人利用まで幅広いニーズに応えるツールです。以下のような人におすすめです。
- 会議やインタビュー、講義など、さまざまな音声を記録・活用したい人
- 学生、教育関係者、ライター、研究者など個人利用のニーズがある人
- 日本語で直感的に使えるUIを求めている人
- オフライン環境でも録音・文字起こしを行いたい人
- セキュリティやデータ保護を重視する企業や医療・法律などの専門業界の人
「tl;dv」と「Notta」の比較まとめ
tl;dvとNottaは、どちらも高機能なAI音声文字起こしツールですが、その設計思想や得意分野には明確な違いがあります。
tl;dvは、営業や顧客対応のようなビジネスシーンに特化した機能が充実しており、CRM連携やセールスコーチング機能を通じて、チームの成果を最大化するための支援が強みです。
一方、Nottaは、個人利用から法人まで幅広いユーザーに対応し、多言語対応や日本語UI、オフライン録音といった柔軟性が際立っています。
どちらが最適かは、「どんな目的で使いたいのか」「どんな環境で利用するのか」によって変わってきます。営業活動の効率化を重視するならtl;dv、多用途かつ直感的に使いたいならNottaが選択肢になります。
どちらのツールも無料プランが用意されているので、まずは実際に試してみて、自分の使い方に合うかどうかを確かめてみるのがおすすめです。