「会議の議事録作成が大変…」「インタビュー音声をテキスト化したいけど時間がない…」
そんな悩みを解決してくれるのが、AIを活用した音声文字起こしツールです。最近では、精度の高いツールがたくさん登場しており、私たちの仕事や学習をサポートしてくれます。
中でも特に人気なのが「Notta」と、以前「Clova Note」として知られ、現在は法人向け機能も強化された「LINE WORKS AiNote」です。
この記事では、「Notta」と「Clova Note(LINE WORKS AiNote)」という2つの文字起こしツールについて比較します。ITに詳しくない方でも理解しやすいように、それぞれの特徴や違いを整理してご紹介します。
「Nottaの評判が知りたい」「Clova Noteとの違いが気になる」「どの文字起こしツールがおすすめなのか知りたい」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
NottaとClova Noteの概要
まずは、それぞれのツールの基本的な特徴や提供会社、どんな場面で使えるのかを見ていきましょう。
Notta(ノッタ)
Nottaは、Notta株式会社が提供するAI文字起こしサービスです。精度の高い文字起こしはもちろん、多くの言語に対応している点や、AIによる自動要約機能、さまざまな外部サービスとの連携機能が大きな特徴です。
個人のちょっとしたメモから、ビジネスでの本格的な議事録作成、さらにはチームでの共同作業まで、幅広いシーンで活躍します。無料プランもあるため、気軽に試せるのも嬉しいポイントです。
- 会議やインタビューの音声を素早くテキスト化したい
- 外国語の音声を文字起こし・翻訳したい
- 文字起こし結果をAIに要約してもらいたい
- Zoom会議の内容を自動で記録・文字起こししたい
Clova Note(LINE WORKS AiNote)
Clova Noteは、LINE株式会社のAI技術「CLOVA Speech」を活用した文字起こしサービスとしてスタートし、特に日本語の認識精度が高いと評判でした。
現在は、ビジネスチャットツール「LINE WORKS」と連携し、法人向け機能を強化した「LINE WORKS AiNote」として提供されています。
なお、Clova Note β版は2025年7月31日をもってサービスを終了し、LINE WORKS AiNoteへのデータ移行が推奨されています。
LINE WORKS AiNoteは、特にLINE WORKSユーザーとの親和性が高く、日本語の会議や会話の記録に適しています。
- 日本語の会議や会話を正確に文字起こししたい
- LINE WORKSと連携してスムーズに情報共有したい
- 話している人が複数いても、誰の発言かを分かりやすく記録したい
- シンプルな操作で手軽に文字起こしを始めたい
NottaとClova Note(LINE WORKS AiNote)を7項目で徹底比較
それでは、皆さんが気になるポイントで、2つのツールを詳しく比較していきましょう。
比較項目 | Notta | Clova Note(LINE WORKS AiNote) |
---|---|---|
文字起こし精度・対応言語 | ◎ 高精度(最大98.86%)、58言語対応 | 〇 日本語の精度が高い(CRR 90.8%)、4言語対応(日・英・韓・中) |
録音・アップロード機能 | ◎ リアルタイム録音、ファイルインポート、Web会議連携(Botによる自動参加) | 〇 リアルタイム録音、ファイルインポート、Web会議録音(URL入力型) |
AI要約機能 | ◎ Claude 3使用、テンプレート豊富、カスタマイズ可、無料プランでも利用可 | △ 全体要約・主要トピックなど。有料プランで利用可能 |
音声の検索・編集・共有 | ◎ 検索・編集・タグ・エクスポート(TXT, DOCX, PDF等)、共有機能 | 〇 検索・編集・ブックマーク、ダウンロード、LINE WORKSユーザーと共有 |
対応デバイス・連携サービス | ◎ iOS/Android/Web、Zoom/Meet/Teams/Webex/カレンダー/CRMなど幅広く対応 | 〇 iOS/Android/Web、LINE WORKS連携、Zoom/Teams(今後Meet等も対応予定) |
料金・プラン | ◎ 無料プランあり。有料は月額1,185円~(年払い時)。無制限プランもあり | 〇 無料プランあり。有料は月額1,440円~(年払い時、ソロプラン) |
セキュリティ | ◎ ISO 27001・SOC 2 Type II、国内データセンター、暗号化 | 〇 アクセスログ・SSO等、LINE WORKSの法人向けセキュリティを活用 |
1. 文字起こし精度・対応言語
Nottaは、理想的な環境下では最大98.86%という非常に高い文字起こし精度を誇ります。ただし、実際の精度は録音環境や話し方によって変わるため、ユーザーからは「静かな環境なら高精度」という評判がある一方で、「修正は必要」という声も見られます。
大きな強みは対応言語の豊富さで、58言語に対応しており、翻訳機能も備えています。グローバルな会議や語学学習にも活用できます。
Clova Note(LINE WORKS AiNote)は、LINEのAI技術を活かし、特に日本語の音声認識に特化して開発されています。公式サイトでは文字正解率(CRR)90.8%と公表されており、日本語の自然な処理や方言への対応力に期待が持てます。
「Nottaよりも日本語の精度が高いと感じた」というユーザーの評判もあり、日本語の会議が多い方には心強いでしょう。対応言語は日本語、英語、韓国語、中国語の4言語です。
2. 録音・アップロード機能の使いやすさ
Nottaは、スマホやPCでのリアルタイム文字起こしはもちろん、音声ファイルや動画ファイルのアップロードにも対応しています。
特に便利なのが「Notta Bot」機能。ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議にBotを参加させることで、自動で録画と文字起こしを行ってくれます。
Clova Note(LINE WORKS AiNote)も、リアルタイム文字起こしとファイルアップロードに対応。
Web会議の録音機能も搭載されており、ZoomやMicrosoft Teamsの会議URLを入力することで、AiNoteボットが会議に参加して録音・文字起こしを行います(有料プランのチームプラン以上)。
3. AI要約機能の実用性
NottaのAI要約機能は非常に高機能です。高性能AI「Claude 3」を利用し、会議の要点や議題ごとのチャプター、ToDoリストなどを自動で抽出。
数十種類のテンプレートが用意され、カスタマイズも可能です。さらに、AIに直接指示を出して特定の観点から要約させることもできます。無料プランでも月に10回まで試せるのは嬉しいポイントです。
Clova Note(LINE WORKS AiNote)のAI要約機能は、会議全体の概要をまとめる「全体要約」や、主要な議題を把握しやすくする「主要トピック」など、実用的な機能を提供します。
ボタン一つで簡単に要約を生成できますが、この機能は有料プラン限定となります。
4. 音声の検索・編集・共有機能
どちらのツールも、文字起こしされたテキストの編集やキーワード検索、重要な箇所へのマーキング(Nottaはタグ、Clova Noteはブックマーク)が可能です。
Nottaは、テキスト内の特定の箇所に対応する音声部分をピンポイントで再生できるため、修正作業がスムーズです。
完成したデータはTXT、DOCX、PDFなど多様な形式でエクスポートでき、共有も簡単です。
Clova Note(LINE WORKS AiNote)も、音声を聞き返しながら編集でき、誤認識された箇所の修正や話者名の変更が可能です。「よく使う単語」を登録して認識精度を上げることもできます。
作成したノートは他のLINE WORKSユーザーと簡単に共有できます。
5. 対応デバイス・連携サービス
Nottaは、iOSとAndroidのスマホアプリ、そしてPCのWeb版で利用できます。
連携サービスが非常に充実しており、Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、Webexといった主要なWeb会議ツールに加え、GoogleカレンダーやOutlookカレンダー、さらにはSalesforceやHubSpotといったCRM(顧客管理システム)との連携も可能です。
Clova Note(LINE WORKS AiNote)もスマホアプリとPCのWeb版に対応。
最大の強みはLINE WORKSプラットフォームとのシームレスな連携です。
Web会議ツールとしてはZoomとMicrosoft Teamsに対応しており、Google MeetやWebexも今後対応予定です。
6. 料金・プランの違い
どちらのツールも無料プランと有料プランが用意されています。Nottaの無料プランは月120分まで(1回の録音は3分以内)、AI要約は月10回まで利用可能です。
有料の「プレミアムプラン」は月額1,185円(年払い時)で月1,800分、「ビジネスプラン」は1アカウント月額2,508円(年払い時)で文字起こし時間が無制限になります。
Clova Note(LINE WORKS AiNote)のフリープランは、チーム全体で月間300分まで文字起こし可能(AI要約は不可)。
有料の「ソロプラン」は月額1,440円(年払い時)で月600分、AI要約は月12回まで。
「チームプラン」は月額19,800円(年払い時)で、チーム全体で月6,000分、AI要約は月120回まで利用可能で、利用人数に制限はありません。
プラン名 | 月額料金(年払い時) | 月間文字起こし時間 | AI要約回数/月 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Notta フリー | 0円 | 120分(1回3分以内) | 10回 | お試し、短時間メモ向け |
Notta プレミアム | 1,185円 | 1,800分 | 30回 | 個人・小規模チームの本格利用向け |
Clova Note フリー | 0円 | チーム全体で300分 | 利用不可 | お試し、ライトユース向け |
Clova Note ソロ | 1,440円 | チーム全体で600分 | 12回 | 個人事業主、フリーランスでAI要約も使いたい方向け |
Clova Note チーム | 19,800円 | チーム全体で6,000分 | 120回 | 中規模チーム、Web会議連携、人数無制限 |
7. セキュリティとサポート
Nottaは、データの暗号化はもちろん、国際的なセキュリティ認証であるISO 27001やSOC 2 Type IIを取得しており、データは日本国内のデータセンターで厳重に管理されています。
Clova Note(LINE WORKS AiNote)は、「法人向け」を明確に打ち出しており、パスワードポリシー設定、二段階認証、管理者による利用メンバー管理、アクセスログ監査など、企業統治の観点から安心して利用できる機能が充実しています。
LINE WORKSプラットフォーム自体のセキュリティ基盤も強みです。
Notta・Clova Noteがおすすめな人
ここまで「Notta」と「Clova Note(LINE WORKS AiNote)」を様々な観点から比較してきましたが、最終的に「自分にはどちらが適しているのか」と迷う方も多いでしょう。
このパートでは、目的や利用環境ごとに、どちらの文字起こしツールがより適しているかを紹介します。
Nottaがおすすめな人
多言語に対応した文字起こしや翻訳が必要な場合、Nottaは非常に有力な選択肢です。対応言語数は58にのぼり、英語や中国語を含む様々な言語の音声にも対応しています。
グローバルな会議、語学学習、海外とのインタビューなどに活用したい方におすすめです。
また、ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議にBotを自動参加させて録画・文字起こしを行う「Notta Bot」機能も魅力です。
SalesforceやHubSpotといったCRMツールとの連携にも対応しており、営業やプロジェクトマネジメントの現場でも効率化が期待できます。
AI要約機能も高機能で、会議の要点やToDoリストを自動抽出できるほか、テンプレートのカスタマイズも可能です。無料プランでも月10回まで利用できるため、試しやすい点もポイントです。
- 長時間の会議やインタビューを頻繁に文字起こしする
- 月間で多くの音声ファイルを処理する必要がある
- ビジネスプランの無制限文字起こしを活用したい
Clova Note(LINE WORKS AiNote)がおすすめな人
日本語の認識精度を最重視する場合は、Clova Note(LINE WORKS AiNote)が適しています。
LINEのAI音声認識技術をベースに、日本語特有の表現や方言にも対応しており、公式には文字正解率90.8%が公表されています。日本語中心の業務には心強い存在です。
社内でLINE WORKSをすでに導入している場合や、今後連携させたい場合にも好相性です。アカウント管理や情報共有がスムーズに行え、導入時の手間も最小限に抑えられます。
また、Clova Noteは操作性にも優れており、直感的で分かりやすいインターフェースが特徴です。複雑な機能を必要とせず、初めて文字起こしツールを使う方にも適しています。
加えて、チームでの利用やセキュリティ管理を重視する場合にも対応可能です。チームプラン以上では以下のような法人向け機能が提供されています。
- シングルサインオン(SSO)
- アクセスログ監査
- 管理者によるユーザー管理と権限設定
どちらのツールも無料プランが用意されており、まずは実際に使ってみて操作性や文字起こしの精度を確認してみるのがおすすめです。
まとめ:目的に合った文字起こしツールで業務をより効率的に
本記事では、人気の文字起こしツール「Notta」と「Clova Note(LINE WORKS AiNote)」を比較し、それぞれの特長や向いているユーザー像についてご紹介しました。
Nottaは、多言語対応、外部サービスとの豊富な連携、高機能なAI要約などが強みで、グローバル業務やツールを活用した業務効率化を重視する方に適しています。
一方で、Clova Note(LINE WORKS AiNote)は、日本語の高い認識精度、LINE WORKSとのシームレスな連携、わかりやすい操作性と法人向けの管理機能が魅力です。
日本語中心の業務やチーム導入を検討している方には特におすすめです。
文字起こしツールの導入は、単なる作業効率の向上にとどまらず、情報の整理や共有の質を高めることにもつながります。
ぜひ、ご自身の業務スタイルや利用目的に合ったツールを選び、日々の業務や学習に役立ててください。