【2025年9月】AI関連最新ニュース|国産エコシステム構築とビジネス実装が加速

【2025年9月】AI関連最新ニュース|国産エコシステム構築とビジネス実装が加速

2025年9月は、AIが日本社会において「どこまで進化し、どう活用されるべきか」という問いに、国内の産官学が一斉に回答を始めた月でした。「GPT-5」の登場で技術競争が激化する一方、日本ではPFN、さくら、NICTがタッグを組み、言語や文化に最適化された国産AIエコシステムの構築へ舵を切りました。

これは、AIをグローバル企業の技術デモとして終わらせず、私たちの仕事や生活に深く、そして安全に根付かせるための大きな一歩です。大手企業のマーケティング分野での本格導入、そして子どもの安全を守るためのガバナンス強化まで、AIの実装が加速する最新動向を解説します。

2025年9月のAIニュース

それでは、2025年9月に起こった最新かつ注目のAIニュースをお届けします。

PFN・さくら・NICTの国産生成AIエコシステム構築に向けた基本合意締結(9月18日)

PFN、さくらインターネット、NICTの3者が、安心安全で日本社会に適した国産生成AIのエコシステム構築に向け基本合意を締結しました。日本文化や制度に配慮した高品質な大量学習データを用い、PFNとNICTが次世代国産LLMを共同開発し、さくらのクラウド基盤上で提供する計画です。この産官学連携は、国内企業・公共機関がデータ主権を確保しつつ、安全・信頼性の高いAIを活用しやすくなる基盤整備として大きなインパクトがあります。 (出典:NICTプレス

電通とソフトバンクによる日本語広告コピー特化型生成AIの共同研究開始(9月25日)

電通とソフトバンクは、日本語独自の表現や繊細な感性を取り入れたコピーを高い品質で生成できる日本語広告コピー特化型生成AIの共同研究を開始しました。クリエイティブ制作の効率化やアイデア創出支援を図るもので、日英構造の違いや文化的背景に精通したAIコピーは、国内企業の広告制作コスト削減とクリエイティブ強化につながる可能性があります。 (出典:電通

ChatGPTの新機能「共有プロジェクト」&「Pulse」リリース(9月25日)

OpenAIはChatGPTに、チームでの共同作業を容易にする「共有プロジェクト」機能と、ユーザーごとにパーソナライズ情報を提供する「ChatGPT Pulse」を追加しました。共有プロジェクトは企業内コラボレーションとナレッジ共有を効率化し、Pulseは過去の会話などからAIが能動的に情報を提示することで業務効率向上に貢献します。 (出典:OpenAI

Google検索「AIモード」の日本語対応開始(9月9日)

Googleは、検索機能「AIモード」の日本語版提供を開始しました。Gemini 2.5ベースのAIが複雑な質問にも回答可能とし、テキスト・音声・カメラ入力によるマルチモーダル検索をサポート。これにより、日本語検索でも一回のクエリで複雑な意図を解決できるようになり、ビジネス調査やアイデア発想の迅速化を後押しします。 (出典:Google

Stockmark-2日本語LLM、NVIDIA NIMサービスで提供開始(9月25日)

国産AI企業のストックマークが独自開発した日本語LLM「Stockmark-2」を、NVIDIAの推論マイクロサービス「NVIDIA NIM」で提供開始しました。企業は高性能な大規模日本語モデルをインフラ構築負担なく、自社管理下で安全に導入できるようになり、データ主権を確保しつつ世界水準の生成AIを活用しやすくなります。 (出典:ストックマーク

富士通、生成AI再構成技術で高速化・高精度モデル実現(9月22日)

富士通は、生成AIモデルの「再構成技術」を開発し、モデル軽量化と推論高速化を実現しました。独自技術により精度を維持しつつ、従来比で約3倍の推論速度を達成。この軽量モデル化は企業システムへの組み込みを容易にし、大企業だけでなく中小企業や現場部門でのAI活用導入障壁を下げる効果が期待されます。 (出典:富士通

電通グループのマーケティング向けAIエージェント支援サービス開始(9月11日)

電通総研・電通・電通デジタルの3社が、企業向けにマーケティング業務の効率化・高度化と顧客価値向上を同時に支援する「AI For Growth マーケティングエージェント開発・導入・伴走支援サービス」の提供を開始。AIエージェント技術を活用し、クライアント企業のマーケティング戦略の自動化・最適化、顧客体験の革新をコンサルティングから構築まで支援します。 (出典:電通総研

ChatGPTに子ども向け利用制限機能追加(9月29日)

OpenAIがChatGPT(Web・モバイル版)に、保護者が子どもの利用を制限できるペアレンタルコントロール機能を導入しました。親子アカウント連携により、不適切コンテンツの表示抑制や機能無効化などが可能になり、子どもの安全確保を重視する姿勢を明確化。AI倫理や法規制の意識が高まる中、利用環境の安全性が強化されました。 (出典:OpenAI

まとめ:2025年9月のAIニュース

2025年9月は、PFN・さくら・NICTの連携に象徴されるように、日本国内で「国産AIエコシステム」の構築と、それに伴う安全・信頼性の確保が大きく進展した月でした。技術の進化(ChatGPTのチーム協働機能や富士通の高速化技術)が、日本独自の課題である言語特性やデータ主権に対応する形で社会実装へと進み、「技術の進化」と「国内市場への最適化」が同時に進む、重要なフェーズに入ったと言えるでしょう。

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